鑑定書にすら固執する?

私の夫はバツイチで前妻について語る時はケチョンケチョンです。

「あの女の最大の不幸は、俺が蘇生してしまったことだ。

倒れた時そのままあの世に行かせてやればよかった。」とまで言ってます。

離婚というのは、どれ程相手を傷つけるかの競争みたいなもので、経験したことのない者には到底理解し難い複雑な感情が育つものなのでしょう。

なぜ単に「憎しみ」ではなく「複雑」と表現したかというと、夫は前妻におくった婚約指輪と結婚指輪の鑑定書を後生大事に保管していたからです。

婚約指輪も結婚指輪も世界的に有名なジュエラーのもの。

ダイヤモンドのプロポーションだのグレードだの、こんなに高価なものを買ってやったんだぞー!と自慢したいのか何なのか、全く理解できませんでした。

鑑定書だけでなく、対応してくれた販売員さんの名刺まで一緒にとってありました。

「これ、要らないよね?」と尋ねると「うーん、何かあるかもしれないから。」

「何かって、何よ。

婚約指輪も結婚指輪も元の奥さんはなくしちゃったんでしょ?旅行先のホテルで。

かけてた保険の保険金も支払われたわけだし、そもそも何年前のこと?この世に存在しない指輪の鑑定書を持っている意味は何なの?」そう言って書類のファイルを投げつけてやりました。

夫はすごく怒って、車に乗って出かけ数時間帰ってきませんでした。

私も怒りが収まらず、鑑定書も名刺も破り捨てました。

夫は今でもなぜ保管していたのか、その理由をハッキリと話してはくれません。

大切にしていたと言うよりは、捨てられなかったようにも見受けられます。

婚約指輪や結婚指輪には、言葉にして表現できない人生の様々な思いが宿るものです。

鑑定書という紙切れにすら、その思いは蓄積するようです。